「童謡・唱歌の世界」のMIDIの曲を使用させて頂きました。


東京都内の風景2:文京区と台東区の風景

 東京都内の風景や建物などを、ここ10年間ずっと描き続けてきましたが、今回は千代田区の風景に引き続き、文京区および台東区の上野・浅草近辺の風物を掲載します。なお、描いた時間的な経過による景観の変化や、年齢的な画風の変化等もありますがお許しください。



■1.文京区の風景(湯島・根津など)

 文京区の根津・千駄木および台東区の谷中などの地域には、第二次世界大戦で東京空襲の被害を受けなかった場所があり、戦前の建造物がいくつか残されています。そのためスケッチの題材として、それらの場所へ行って古い建物を見ることが多くあります。



東京大学赤門

 国の重要文化財に指定されている東京大学の赤門は、11代将軍の徳川家斉の娘 溶姫が前田家の13代藩主 前田斉泰に嫁した時に造営された御守殿門で、表門の黒門に対して赤門と呼ばれた切妻造り本瓦葺の薬医門形式の旧前田家上屋敷の門でした。前田家梅鉢紋が軒の丸瓦に付けられ、左右に唐破風の番所が置かれています。


湯島天神(湯島天満宮)

 文和4年(1355年)に郷民が勧請し、文明10年(1478年)に太田道灌が再興したと言われ、「江戸三天神」の一つとして江戸時代は有数の盛り場だったそうです。梅の名所として知られ,泉鏡花の「婦系図」の舞台として有名です。現在は受験の神様として多くの受験生が祈願に訪れ、沢山の絵馬やおみくじが太鼓腹のように膨らんで奉納されている有様が見られます。


旧安田楠雄邸庭園

大正8年(1919年)に建築された旧安田財閥の安田楠雄邸および庭園は東京都文京区千駄木の高台にあり、東京都の名勝として文化財に指定されている住宅です。近代和風建築としての価値が高く、在来建築技術と西洋から伝来した新しい技術力、そして大正期に高まった優れた建築意匠をもっており、現在は日本ナショナルトラストが管理をして修復中ですが、内部は一般公開されています。(2010.3.17.)


根津神社

 将軍徳川綱吉が宝永3年(1706年)が造営した社殿で、家宣の産土神として造営した根津権現とも呼ばれる重要文化財の根津神社(文京区根津1丁目)です。境内はいろいろな種類と色のツツジが咲く名所として知られています。(2005.5.4.) 


須藤公園

 須藤公園(文京区千駄木3-4)は、江戸時代10万石の大聖寺藩の下屋敷跡で、政治家 品川弥二郎や実業 須藤吉左衛門の邸宅となり、昭和8年に東京市に寄贈され、昭和25年にその庭園を生かして文京区の公園となったもので、谷中や千駄木を散策する時の静かな憩いの場となっています。(2010.3.17.)


本郷弓町教会

 文京区本郷2丁目にある本郷弓町教会は、1886年に海老名弾正牧師がキリスト教の伝道講義所として開設されたプロテスタント教会です。現在の建物は1920年代に建てられた鎮ブロック造りの建物で、パイプオルガン、ステンドグラス、重厚な講壇など長い歴史を物語る礼拝堂です。


羽二重団子店

 谷中を歩くのに便利な下車駅のJR日暮里駅近く、将軍徳川慶喜ら有名人の墓がある谷中霊園から芋坂を下った善性寺の門前に、文政2年(1819年)創業の羽二重団子店があります。漱石や子規ら明治時代の文豪たちが出入りした老舗で、店内に石灯籠が置かれた趣のある中庭があります。


■2.台東区の風景(上野・浅草など)

 台東区内も、上野の山にある東京文化会館を初め博物館・美術館・動物園など いろいろな文化施設をよく訪問しております。また、下町情緒が豊かで史跡や旧跡が多くあり、昔からの老舗や食べ物屋なども沢山ある浅草・吉原周辺の街歩きも以前からしておりますので、いろいろな風物を今迄に描いてきました。それらの一部を掲載します。



上野公園の桜

 上野公園は徳川家康の帰依を受けた天台宗の僧 天海が上野の山に東叡山寛永寺を創建し歴代将軍の菩提寺として70の堂塔伽藍を有する大寺院でしたが、慶応4年(1868年)の政府軍と幕府軍との上野戦争により、ほとんどの堂塔が灰燼に帰して寺領を失い、明治6年(1873年)に日本最初の公立公園として発足し、その後 多くの博物館や美術館、動物園、美術学校・音楽学校(現在の東京芸術大学)など多くの文化施設が造られました。上野広小路の通りから公園へ入る入口にこの公園標識があり、傍に早咲きの枝垂れ桜があって、毎年大勢の海外からの観光客や花見客が押し寄せて、花を見て記念撮影をしています。


上野公園の国立科学博物館

 上野公園内に造られた文化施設の一つ国立科学博物館は1877年(明治10年)に創立された国立の唯一の総合科学博物館です。多くの自然史や化学技術史に関する研究機関として研究活動がなされ、その調査研究資料やコレクションなどの科学的な展示品が見られます。建物の前庭には大きな鯨の実物大模型や、廃車となったSLのD51が展示されています。



旧岩崎邸洋館

上野公園の不忍池(しのばずのいけ)近くの教証寺の先(池之端)に、三井財閥の3代目、岩崎久弥が建造した旧岩崎邸(国の重要文化財建造物)があります。現在は明治29年(1896年)に竣工した洋館(コンドル設計の17世紀の英国ジャコビアン様式を基調とした木造2階建て地下室付き)と和館の一部,撞球室、庭園が残っており,当時は外国人や賓客の社交場として使用されていたそうです。



浅草寺雷門1

 浅草の中心は浅草寺(せんそうじ)で,その総門となる雷門の前は,大勢の内・外の観光客や人力車の客引き,買い物客など、いつも大勢の人々でごった返しています。(2006年頃) 


浅草寺雷門2

 雷門の周辺の絵は今迄に何度か描きましたが、これは2010年頃に描いたものです。 


雷門から見える東京スカイツリー

 東京スカイツリーは墨田区押上に2012年5月に開業した自立式電波塔(高さ634m)ですが、雷門の前の通りから西の方に東京スカイツリーが大きく見えます。


浅草寺の宝蔵門と五重塔

 浅草寺の観音堂へ向かって雷門から仲見世通りを歩いてゆくと、巨大な宝蔵門があり,ここから左手に五重塔が見えます。


西浅草の路地から見たスカイツリー

 浅草の国際通りから少し西へ入った西浅草にあるロシヤ料理店「ストロバヤ」の前から見た東京スカイツリーです。 


吉原・伊勢屋と中江

 浅草の北,昔の遊郭吉原の大門には見返り柳があり,昔は山谷堀であった土手通りの向こう側に、明治時代創建の天ぷらの「伊勢屋」と桜肉("けっとばし"と呼ばれた)の「中江」が並んで建っていて,なかなか風情のある景観が見られます。(2005.12.1.)


吉原・伊勢屋

「天麩羅 土手の伊勢屋」の軒行燈のある伊勢屋の店頭です。(2005.12.1.) 



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