「童謡・唱歌の世界」のMIDIの曲を使用させて頂きました。


関東地方の風景(日光と上州)

 栃木県の日光へは、いろいろな季節に たびたび旅行をしましたので、これまで多くの風景画を描いてきましたが、その他の関東地方の各地へも時々行っておりますので、その風景を日光の風景と共に今後 順次追加してゆきます。


栃木県・日光の風景(1)

 2010年の10月末および2012年11月中旬に、日光日光国立公園へ紅葉を見に行って来ました。いずれも奥日光の湯元まで行き、そこから戦場ヶ原、中禅寺湖、いろは坂へと山を下り、美しい紅葉に彩られた「湯滝」「竜頭の滝」「華厳の滝」の三つの名瀑を鑑賞しながら日光の街へ下りてきました。以前に描いた秋の風景以外の絵も加えて掲載しました。


奥日光・湯元温泉の泉源

 奥日光の湯元温泉や湯の湖周辺は紅葉の盛りを過ぎ、枯れ木立が多く、冬が近いことを感じる風景でした。温泉地の北側にある温泉寺の傍、金精峠へ向かう道路の崖下に湯の平湿原がありますが、その中に屋根付きの小屋で覆われた泉源があって、硫黄臭の強い温泉水が湧出しています。

奥日光の湯滝

 湯元温泉街の南側に広がる静かな湖が「湯の湖」で、白鳥や鴨が湖面を泳いでいました。「湯滝」は湯の湖から約75メートルほど岩肌を流れ落ち、末広がりにしぶきを上げながら滝壺へ落ち込んでいます。湯滝の周辺にはまだ紅葉が残っており、滝壺近くの観瀑台から見た筋状に流れる滝水とそれを縁取る紅葉の風景は素晴らしい眺めでした。

小田代が原

 2005年頃に日光へ行った時の「小田代が原」の風景で、湿原の中に野生のアヤメがたくさん咲いていました。

紅葉の「竜頭の滝」

 戦場ヶ原の中を流れる湯ノ川は、竜頭橋から下流へ向かって竜の身体のように長く延びて、鱗のように白く泡だった滑滝(なめたき)となって約210メートルほど流れ落ち、中禅寺湖へ注いでいます。竜頭の茶屋の観瀑台から見ると、「竜頭の滝」という名称のように、あたかも龍が頭を滝壺に突っ込んで水を飲んでいるような形に見えます。以前「八雲展」に出品した、F8号で描いた作品です。

新緑の「竜頭の滝」

 2005年頃の初夏にここを訪れたことがあり、その時に描いた新緑の「竜頭の滝」の風景です。

中禅寺湖畔の「立木観音」

 中禅寺温泉街を中禅寺湖畔に沿って南へ向かって進むと、立木観音の名で知られる日光山中善寺があります。後ろの山はロープウエイで上れる茶ノ木平で、色とりどりの紅葉で全山が美しく覆われていました。

イタリア大使館の別荘

 立木観音から中禅寺湖を中宮詞足尾線に沿ってさらに進むと、湖畔にイタリア大使館別荘記念公園があり、初期の別荘として建てられた古い洋館の建物の内部を見学することができます。

日本三名瀑の一つ「華厳の滝」

  中禅寺湖から流れ出た大谷川の水は、「華厳の滝」となって高さ約100メートルの柱状節理の岸壁を一気に落下し、豪快な風景が見られます。エレベータで観瀑台へ下ると、落ち口から滝壺まで素晴らしい滝の全貌が見られますが、この絵は駐車広場の脇にある展望台から、紅葉がきれいな滝の落ち口を眺めた風景です。


栃木県・日光の風景(2)
 日光は山地ばかりでなく、世界遺産の東照宮や輪王寺、二荒山神社などの社寺周辺や、私達が定宿としている出版健保保養所の「つがのき」付近や霧降高原、そして日光周辺の鬼怒川・奥鬼怒の温泉地なども紅葉が見事です。これらの地域の風景も何回か行って描いております。


「つがのき」の秋の庭

 2010年に訪れた時の日光の保養所「つがのき」の庭です。この時はまだ紅葉が始まったばかりでした。

「つがのき」の紅葉

 2012年に訪れた時の「つがのき」の玄関前の紅葉です。ちょうど紅葉の真っ盛りの時季で、真紅の葉が風ではらはらと舞い落ちる姿が大変見事でした。

興雲律院の鐘楼門

 東照宮山内の東側を流れる稲荷川に面して、鬱蒼と茂った杉林の中に天台宗の寺院「興雲律院」があります。上部が鐘楼となった古い山門があり、訪れる人も少ない静かな寺院です。

興雲律院門前の参道

 興雲律院の門前は杉の大木が建ち並ぶ鬱蒼とした杉の林ですが、ちょうど紅葉が盛りで、木々の間に見える赤や黄色の紅葉の彩りが美しく、日本の秋の風情を感じさせる風景でした。そこでF8号の大きさで水彩画を描き、2014年の「八雲展」に出品した作品です。

「日光金谷ホテル」

 日光東照宮の神橋の手前にある「日光金谷ホテル」は、明治の初期に営業を開始した現存する日本最古の西洋式ホテルで、登録有形文化財に指定されています。この絵は明治26年に建設された本館と、すぐ横の別館の前庭にある紅葉樹を描いたものです。

東照宮入口に架かる「神橋」

 金谷ホテルの庭から散策路を下ると、大谷川の流れの近くにゆけますが、ここからは世界遺産の東照宮など社寺遺跡の玄関口とも言える、普段は通行禁止となっている「神橋」を見上げることができます。一般道路の「日光橋」と並行して大谷川に架かる「神橋」が、紅葉を背景に川の清流に影を落としている風景は素晴らしい眺めです。

秋の「霧降の滝」

 2012年には霧降高原に行き、展望台から日本三大名瀑の一つに数えられる「霧降の滝」を見てきました。落差75m、幅15mの滝で、落葉が始った紅葉の原生林の中に、その全貌が眺められました。

新緑の「霧降の滝」

 2004年に訪問した時に同じ場所から眺めた、初夏の新緑の中に見える「霧降の滝」の姿です。

日光杉並木街道

 日光市内へは全長37kmにも及ぶ世界一長い杉並木道があり、国の特別史跡および特別記念物に指定されています。この絵は鹿沼市から日光今市へ向かう国道121号線の例幣使街道の杉並木の風景です。


湯西川温泉「平家の里」

 奥日光の標高 1,000m の山峡にある湯西川温泉はかつて平家の落人が居住していたという伝説があり、その生活を再現した施設が「平家の里」で、堂々とした門構えの入口があります。

「ニッコリ」梨と西洋梨

鹿沼市と日光市を結ぶ道路端には、直径10~15cm 程の大きな「ニッコリ」と名付けられた日本梨を売る店があり、そこで買い求めた梨を「ラフランス」西洋梨と共に描いたものです。どうぞご賞味?ください。


上州(群馬県)の風景

   群馬県は上州(上野(こうずけ)の国の別称)とも呼ばれ、軽井沢や谷川岳などへ行く際に通過する県ですが、県内には立ち寄って見たい場所が多く存在します。最近描いた風景画を幾つか掲載し、また今後も追加掲載してゆきます。


世界文化遺産・富岡製糸場

 群馬県富岡市の鏑川の高台にある「富岡製糸場」は、明治5年(1872年)に明治政府が日本の近代化を進めるために、日本で最初に設置した洋式の模範器械による官営の製糸工場です。昭和14年には片倉製糸紡績会社となり、昭和26年(1987年)まで長く創業が続けられました。主要な建物は国指定の重要文化財として創業当時の状態で保存されていましたが、2014年に絹産業遺産群としてユネスコ世界文化遺産となり、さらに国宝建造物にも指定されました。私達も世界遺産候補の時期に訪問し、正門から東繭倉庫の建物を見た絵を描きました。東繭倉庫から左へと縫糸場・女工館・ブリュナ館へと見学コースが続いています。

新島襄旧宅(群馬県安中市)

 NHKの大河ドラマ「八重の桜」に登場し、八重の夫となった新島襄は、国外脱出しアメリカで学んだキリスト教精神に基づいて京都に官許同志社英学校(現在の同志社大学)を開校し、46歳でその生涯を終えました。明治7年に帰国した彼は、この家で家族と再会しましたが、新島家はその後京都へ引っ越しました。明治37年にこの家の保存運動が起こり、二軒長屋の東半分がこの地に移築され、昭和39年に安中市指定史跡となりました。

群馬県・安中教会会堂

 群馬県安中市内にある安中教会は、1978年(明治11年)に同志社大学の創始者、新島襄(八重の夫)が地元の求道者30名に洗礼を授けて創建された、日本人により最初に創立された教会です。この絵は1919年(大正8年)に建造された日本基督教団「安中教会」の新島襄記念会堂で、牧師館などと共に登録有形文化財に指定されています。

安中市・新島学園

 安中市にある明治時代のキリスト教徒 新島襄が考えた教育五原則を尊ぶ中高一貫校「新島学園」の礼拝堂の外観です。1947年(昭和22年)に、安中教会の信徒の信仰が礎となって創立されました。

碓氷峠、アプトの道の「めがね橋」

 安中市松井田町の碓氷峠にある「アプトの道」は、JR横川駅から旧JR熊の平駅までの旧信越本線のアプト式線路の跡を歩く遊歩道で、碓氷峠の峠路を探訪できます。この遊歩道はトンネルが10と橋梁が3 ありますが、私達は松井田町の「坂本の宿」の街並みと碓氷湖に立ち寄った後、旧熊の平駅からめがね橋(碓氷第3橋梁)までの下り道 1.2kmを歩きました。めがね橋は赤煉瓦造り4連アーチ式の高い旧鉄道橋です。橋の脇から旧18号国道(駐車場あり)へ下ることができ、下から見上げると橋が高くて迫力があります。

碓氷峠、アプトの道の6号トンネル

 6号トンネルは熊の平から5つ目のトンネルで、内部に蒸気機関車の排煙口があり、赤煉瓦を積み上げた手彫りのトンネルとして、貴重な文化遺産となっています。明治時代に造られた各種の鉄道施設は国の重要文化財として指定され、このトンネルの出口の先に めがね橋があります。


マイ・スケッチブックへ戻る。

表紙へ戻る